引き寄せの法則

不足という幻想

 

出来事は意味から中立なものであり、苦しみは出来事そのものによってではなく、その出来事に対する解釈や思い込みによって起こります。つまり、その人の持つ意識のフィルターが、その人の経験する肯定感を決定します。

人はより高い肯定感や幸福感を得るために願望実現に力を注いだり、否定的に見える外側の現実を変えようとしますが、どれだけ外側の現実が変わったとしても、意識のフィルターが変わらない限り、世界は不完全な場所に見えるでしょう。

逆に思い通りでないことの多いありのままの現実であっても、意識のフィルターが変われば、その中に完全な肯定感を見い出すことができます。

 

二元性の分離のパラダイムの中では、人は常に不足感や欠落感、分離感を経験します。人はこれらが自分の心の作り出した幻想であるということに気付きません。

この欠落感を見せる意識のフィルターは、この意識領域の初期設定となっており、人のコアとなる信念を形成しています。

「望むものは十分には得られない」「自分には何かが欠けている」。こうした信念は人々の思考の基底にしっかりと根を下ろしています。そのため恐怖や不安が動機となり、人は不足しているものを満たそうと、自分の外側を自分の期待通りに変えようとします。

願望実現や引き寄せの法則が、人々の心を捉えるのも当然といえるでしょう。

しかし、すべての人は自由意志を持っており、外側の現実とは無常なものでコントロールの及ばないものですから、外側の現実を自分の期待通りに変えることは容易ではなく、人はなんとか自分の欠落感を癒そうともがき苦しむことになります。

 

また、この意識領域においては、欠落感と同時に分離感を経験するため、他者の思いや感情に共感するということが希薄で、他者を犠牲にしてでも自分の利益のために奪い取るということが起こります。人々は他者の痛みに無関心であり、他者から奪うことは自分から奪うことであるということに思いが至りません。

ニュースを見れば、過剰な営業活動、低賃金、長時間労働、虚偽広告、安価だが有害な化学薬品、過剰な債務負担、さまざまな利権などなど、搾取の手法はいくらでも見つかります。

恐怖や不安を動機としたエネルギーの奪い合いという悪魔的な構造は、私たちの社会システムの基礎をなしており、そのため、この社会には大きな混乱や苦しみがあります。

人々が、自分には望む現実を作り出す十分なパワーと価値があり、私たちは、ひとつのものとして結びついていると理解するまで、搾取と他者加害という苦しみの構造は、さまざまに形を変えてこの社会に残り続けるでしょう。

 今ここで、すでに願望は実現している

これらの絶対的にリアルに見える不足と分離という認識もまた、ひとつの意識のフィルターにすぎません。意識の波動が上昇し、受容が深まり意識が拡大するに従って、分離感は癒され、観念の制限は外れ、世界はそのままで完璧で、望むものは今ここに、すでに十分に与えられていたと認識するようになります。

波動上昇により、存在の完全性が個人の自我意識の中に顕現するのです。

 

引き寄せの法則の一般的な理解とは、内なる思考を自分の外側にある物理次元に反映させ、望む現実を作り出すということですが、世界は本質的に自分の意識のフィルターを通した投影ですから、自分の認知から独立した自分の外側というものは存在しません。

自分の外側というものはないのですから、引き寄せの法則とは、より正確に言えば、自分の外側に望む何かを引き寄せるというより、意識の波動が上昇することにより認知の変容が起こり、それまで見えなかったものが、見えるようになるということです。

つまり、いつか将来、物理次元が自分が望むように変わったら幸せになるということではなく、自分の外側の状況とは無関係に、今ここで、意識の波動が上昇することにより、自分の望むものはすでに持っていたと気付くことです。

 

天国に行くのではなく、すでに天国にいたと気付くだけです。

極性の分離のパラダイムの中では「足りない何かがある」といった制限的な思考との同一化が起こり、今ここで、自分にとって真に重要なことは、すべて実現しているということが見えなくなっています。

 

もしもっとお金持ちになりたいのであれば、まず最初に、今ここにある、ありのままの現実の中に豊かさを見い出し、すでに多くものが与えられていたことに感謝して下さい。

もしもっと楽しみの多い人生を送りたいのであれば、退屈な現実が変わるのを待つのではなく、まず最初に、今ここにある、ありふれていて見過ごされがちな楽しみにもっと目を向けて下さい。

もしもっと人とのつながりを経験したいのであれば、理想的な誰かが現れるのを待つのではなく、自分の人生が多くの人に支えられていたということを思い出し、身の回り人々に感謝して下さい。

のとき、その豊かで神聖な内面を反映するように外側もまた変化していきます。あなたの外側は、あなたの内なる在り方を反映したものです。

 

意識の中で極性が統合され、今ここの完全性に目覚めたとき、欲するものは、今ここに、もうすでに自分の中にあったと気付きます。それは、今ここでないどこかへと幸せを探す旅の終わりであり、無常でありコントロールの及ばない外側の現実を、自分の期待通りに変えようとする苦闘の終わりでもあります。

無条件の受容と感謝は、常にあなたを今ここへと連れ戻すのです。

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