今、フラッシュバックが起きているときの対処法
フラッシュバックとは、トラウマ体験時の記憶や感情が、後になって突然かつ非常に鮮明に襲ってきたり、夢で見たりする症状です。この体験は、何のきっかけもなく突然起こることもあれば、トラウマ体験を想起させる外部の刺激によって引き起こされることもあります。例えば、トラウマの傷を負った人が、日常生活の中で、そのトラウマを想起させるような場所や光景などに偶然出会ったときに、トラウマ体験の恐怖、不安、恥などの強烈な感情が突然表面化します。これによって、患者は現実の瞬間から過去の出来事へと引きずり込まれるような感覚を経験します。
フラッシュバックの対処法としていくつかの方法が提唱されていますが、そのひとつとして今ここに意識を戻すという手法があります。フラッシュバックが起きたときに、「過去」に起こったトラウマ体験の記憶ではなく、「今ここ」の身体感覚、例えば、足が床についている感覚、背中が椅子に付いている感覚などに意識を向けるというものです。他にも、周りを見回して「今ここ」は安全である、辛い過去は今ここにはないと確認する手法などもあります。
ここでお勧めしたいのは、身体のツボを刺激するという手法です。フラッシュバックが起きたときにEFT(感情解放テクニック)のタッピング・ポイントをトントンと叩きます。(図1)もしくは、指先をつまみ、指先のツボのポイントを刺激します。(図2)
EFTのタッピング・ポイントに加えて指先のポイントを加えた理由は、フラッシュバックはいつどこでも起こりえるので、人が多くいる電車の中や、授業中・会議中などでは顔や体のポイントをトントンと叩くのは気まずく感じられることがあるためです。この点、指先はすぐにどこでも簡単に刺激できます。
トラウマ記憶や恐怖感情のエネルギーが活性化したタイミングでツボを刺激することでEFT(感情解放テクニック)のタッピングの治癒力が効果的に発揮されます。なので、フラッシュバックはタッピングの治癒力を発揮する良いタイミングなのです。

(図1)EFT(感情解放テクニック)のタッピング・ポイント

(図2)指先のポイント
今感じていることに意識を戻すといった辛い記憶から意識を逸らすことで対処する対症療法ではなく、トラウマ・エネルギーそのものを浄化することでフラッシュバックを起こりにくくします。タッピングはフラッシュバックに対処するだけでなく、フラッシュバックの原因となっているトラウマそのものを癒すのです。
多くの論文が示すようにタッピングによるエネルギーの浄化は効果量が高く、その効力が永続します。(注)長年のカウンセリングや投薬で良くならなかったトラウマ症状が、わずか数回のタッピングで良くなることもあります。
主流の精神医療には意識がエネルギーであるという発想がありません。この考え方は、インドのヨガや中医学の世界では何千年も前から言われていることです。主流の医学では意識とは脳内の化学反応の結果起こるものであり、脳内伝達物質をコントロールすることで治癒を促そうとします。もしくは言語ベースで精神分析を行い認知の歪みを矯正しようと試みます。
ですが感情の痛みや制限的な思考パターンの背景にはエネルギーがあり、ここが変化しない限り意識の根本的な変容はありません。化学物質で意識の変容を促そうとしても、薬の効力が消えれば元に戻り、ときに依存や離脱症状を引き起こし、思考や顕在意識レベルの介入では変化は限定的です。
(注)